〜世界遺産登録への是非を問う〜

「宗像大社と沖ノ島」



海の正倉院といわれる玄界灘の孤島沖ノ島は、古代祭祀遺跡より12万点にも及ぶ国宝、重要文化財が

発見された宝庫の島である。そしてなお宗像大社沖津宮として祀り祭られる生きた信仰の島としてある。




この島と宗像大社を含めてこの一帯を世界遺産へ登録しようという話が持ち

上がり、先般“宗像から世界へ。

沖ノ島に夢を乗せて”「海の正倉院・沖ノ島〜いま甦る太古のロマン」

というテーマのシンポジュウムが開かれた。

早稲田大学、エジプト考古学の吉村作治教授基調

講演では「沖ノ島は自然遺産と文化遺産と重なる

日本初の複合遺産としての価値が十分である」と

語られ、また日本政府アンコールワット遺跡救済

チーム団長で、世界遺産にかかわるユネスコ会議

国際委員を務める中川武教授もパネリストとして世界

遺産としての価値を認める発言で、地元の人たちへ

エールを送ってくださった。

ただ私はある面、信仰の島として厳粛に守られ連綿と引き

継がれて来た信仰形態と文化をここで顕わにし、敢えて

世俗の世界遺産に登録し脚光を浴びることの危惧がない

わけではない。太古のロマンをなぜ今、甦らせねばなら

ないのか。そっと自然のままに眠らせてほしいという気が

しないでもない。単なる町おこし、地域活性のための世界

遺産ならごめん被りたいと思いつつ、いつも眺める玄界灘の沖合い遥かに浮かぶ小さな神宿る島「沖ノ島」

の世界遺産化に多少の魅力も残る。また宗像大宮司の菩提寺としての承福寺とては全く無縁ではないだけ

に関心はある。
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 沖ノ島参詣   2004年05月27日(金)
宗像大社の三女神は天照大御神の御子神である。古事記、日本書紀に天照御大神の神勅「歴代の天皇を助け、歴代の天皇の祭りを受けられよ」を奉じて、九州と朝鮮半島を結ぶ海北道の要衡の地宗像に国の守護神として、沖ノ島に田心(たごり)姫神、筑前大島に湍津(たぎつ)姫神、田島に市杵島(いちきしま)姫神が降臨されたという。三姫神は沖ノ島の沖津宮、大島の中津宮、田島の辺津宮にあって、その三宮の総称が宗像大社というわけである。
その沖ノ島の沖津宮での現地大祭が5月27日関係者によって行われることで、大社ゆかりの菩提寺住職としての参列。
前夜は筑前大島中津宮で宵宮祭参篭祓いの後、当日大社チャーター船に乗り組み60キロを隔つ孤島沖ノ島へ。船酔いの弱点が心配されたが、好天とべたなぎが幸い。下船早々、古禮のしきたりにて海中禊を行い、島の中腹の巨岩の間に佇む社殿にての祭式に臨んだ



〜宗像大社紹介〜










※ページ内の画像の一部はパンフレットより借用しています



〜沖ノ島祭祀神宝〜



沖ノ島は玄界灘の間只中に浮かぶ

周囲4キロ。高さ243メートルの

孤島で、古代より航路の道標とされ

た神体島である。祭場は岩上→

岩陰→半岩陰・半露天→露天→

と4段階の変遷をたどり、4半世紀

から10世紀初まで600年の長い

年月の間、大和朝廷が鏡・金指輪・

龍頭・唐三彩・馬具、奈良三彩など

最高級の豪華な品々を奉献し、

対外交渉にかかわる重大な国家的

祭祀を執り行った。現在23ヶ所の

古代祭祀遺跡が発見され、12万

点に及ぶ出土神宝は、すべて国宝、

重要文化財に指定されている。