<5月の禅語>  和敬清寂(わけいせいじゃく)

佗び、さびの精神を尊び、茶禅一味をめざす茶道家に最も親しまれる

語であるが、その一字一字にもまた深い意味が汲める。

和気あいあい、仲むつまじいということを超えて肝胆相い照らす調和、

大和のこころ。殊に仏教では和合を第一とされ、これを乱すものは  

教団より追放されたほどである。

敬礼というのは封建社会のイメージがあるが、たがいに敬びあい、 

おがみ合う仏教的精神である。

汚れなき清らかさ、清楚さ。利休はきれいに掃き清められた茶席の

庭に小枝をゆすって木の葉を散らしたという。散葉がちらっとあって

清ら かさが一層浄浄感を添える。

静寂、閉寂、しずか、さび。寂滅は仏教、大乗禅の究極の目標である。

 

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