<5月の禅語> 和敬清寂(わけいせいじゃく)
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佗び、さびの精神を尊び、茶禅一味をめざす茶道家に最も親しまれる 語であるが、その一字一字にもまた深い意味が汲める。 ●和 和気あいあい、仲むつまじいということを超えて肝胆相い照らす調和、 大和のこころ。殊に仏教では和合を第一とされ、これを乱すものは 教団より追放されたほどである。 ●敬 敬礼というのは封建社会のイメージがあるが、たがいに敬びあい、 おがみ合う仏教的精神である。 ●清 汚れなき清らかさ、清楚さ。利休はきれいに掃き清められた茶席の 庭に小枝をゆすって木の葉を散らしたという。散葉がちらっとあって 清ら かさが一層浄浄感を添える。 ●寂 静寂、閉寂、しずか、さび。寂滅は仏教、大乗禅の究極の目標である。
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