<今月の禅語>   

              吾心似秋月  寒山詩の一節

  

 

禅では心を○(円相)で表わすことがある.。その本来の心、即ち仏性を月に当てて、自らの心境を表した語。

今の私の心境を述べるとすれば、ちょうど秋月のように冴え冴えと澄み渡っている。

その月が池の水面を照らせば、清く澄み切り、一層輝き映える。

この心境は私自身が味わい知るのみ。この風光、心境を誰に伝えようにも、言葉ではもう言い表せない。と言う大意。

私の修行時代の師、蔵暉室.小田雪窓老師(大徳寺管長)の遺品として此の語の掛け軸を頂き、先師の思い出として

毎年のように、秋のこの季節には床の間に下げる。

私の仏性の月は、円満ならず、五欲煩悩の雲に曇らされ、清澄な心境とはほど遠い。

だからこそ、そんな心境を味わいたいものだと、この書を掛ける。

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