こころの紋様 -ミニ説教-


〜不遇を嘆くより感謝こそ〜

交通法規の遵守こそ


 「お坊さんでも違反されるんですねぇ」とは昔、私がスピード違反で何度か捕まったときにおまわり

さんたちの何人もが感心というか、あきれ顔で言われたことばです。「あぁ、しまった!またうっかり

スピードを出し過ぎていたのか、反則金も高額だし、違反点数の加算も痛いなぁ」などとしょげている

とき「お坊さんでも・・・・」なんて変な感心?をされると「ほっといてくれ、坊さんだって人間だ。

 いつもでも聖人君主であると思っている君たちのほうが世間知らずというものだ」などと一瞬、

腹立たしく思ったりしたものです。
  しかし「お坊さんはいつも清く正しく、人の模範と

なるような生き方をしている立場の人と」という

イメージをそのお坊さんたちはお持ちだったの

でしょう。それほどまでに世間様からお坊さんは尊敬

されて、人を導く立場の人として遇されているのだ

と思うと、有難くもあり、逆にこんなことで期待を裏切

って申し訳ないという気持ちにさせられたものです。

  最近では私も運転の腕も上がり、慎重になったのでほとんど違反で検挙されることはありませんが、

数年前まではスピード違反のほか、一時停止不履行、進入禁止違反などが積み重なり免許停止処分

まで受けたことがあります。その違反のどれもがうっかり運転や標識の見落としで、故意に違反したわけ

ではありませんが、検挙されるたびに「しまった!」と思うほか自分自身の慎重さに欠ける性格的欠陥を

知らされたようで自己嫌悪になってしまいました。しかし、このまま捕まらずに、うっかり運転をし続けて

いたら、きっといつか大きな事故を起こし、人を傷つけたり、或は死亡事故にもつながり、自らも大怪我を

してしまう可能性もあつたのだと思うと恐ろしくもあり

ました。 だから、検挙されると嫌だと思う反面なぜか

ホッとし、事故を起こす前に捕まえてもらったことを

有難くもあるなぁと思ったものです。

 注意力散漫、ぼんやりとして運転している自分には

いい戒めであり、事故防止の有難いお灸をすえて

頂いたようなものでした。

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 ところが、私と同じようにスピード違反で捕まった人たちが、反則切符を切られる手続きの間、「どうして

自分だけなのか、前の車はもっとスピードを出していたのに」とか言っては自分の不遇を嘆いたり、標識が

見えにくかったといっては標識のせいにして言い訳をしている人などがいておかしくもありました。

 また、無駄の譬えの諺の「泥棒の袖控え」のように、袖にすがって泣き落としにかかる人もいて交通

違反の取締りのお巡りさんたちもお仕事とはいえ本当に大変だなぁと同情したくもなったものでした。



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